チーズとワイン

チーズとワインのいい関係

チーズに1番合う飲み物といえば、やはりワイン。
チーズは乳、ワインはぶどうというようにいずれも単一の原料から作られ、その結びつきの歴史は、他のどんな食品や飲み物よりも長いといわれています。
チーズを食べるとワインが飲みたくなる、その逆もまたしかり。2つを組み合わせることでそれぞれの持ち味が味わい深くなるのは、人々がはるか昔から、当然のごとく知っていることなのです。

チーズとワインの基本的な
相性パターン

チーズに様々な種類があるように、それに合うワインの種類も豊富にあります。
ではどのような基準でその相性を見極めればいいのでしょうか。次のような基本パターンを知っていれば、まず間違いなく、チーズとワインの美味しいマリアージュを体験できることと思います。
まず、軽くフルーティーな若いワインには、チーズも新鮮度が命のフレッシュタイプや、熟成期間が短く、味もマイルドでクセの少ないタイプを。 コクのあるしっかりしたワインやヴィンテージものといわれる古いワインには、やはりチーズも熟成期間の長いものや風味が強くコクのあるタイプがよく合います。

また、一度にいろんなチーズを食べてみたいので、あまり深くワインの種類にこだわりたくないときなどは、果実の甘味と酸味のバランスが良く、フルーティーかつ軽い渋みのあるタイプのワインを選べば、どんなチーズとも比較的合います。 もっと簡単なのは、同じ産地のチーズとワインをチョイスすることです。
出身地が同じチーズとワインのなかには、シャンベルタンというワインを飲むためにわざわざ作られた、「ラミ・デュ・シャンベルタン(シャンベルタンの友)」なるチーズも存在するぐらいですから。
ぴったりあったワインを選ぶことでチーズの美味しさがぐんとアップするのです!

チーズとワインの相性表

ワインは「百薬の長」

現代社会のほとんどの人が、ストレスを感じています。
ゆったりと気持ちのよい時間を過ごすことは、ストレスを緩和する一番の方法と言えるでしょう。
ワインは食事とともに楽しむお酒です。おいしい食事と、それに合うワインで一日を締めくくれば、心身ともにリラックス出来るに違いありません。
《自分がおいしいと思うお酒ならなんでもいいんじゃない?》アルコールには、緊張をほぐす効果がありますので、お酒ならどれでも同じと考えがちですが、 ワインは食事とともに頂きますから、お酒だけを飲む場合に比べて、飲み過ぎの危険を避けることが出来ます。
「適量をたのしく…」というのは当たり前のことですが、心身ともに健康を保つには、まさにこの一言につきます。 ワインのある生活は、わたしたちに体の健康と心のゆとりをもたらしてくれることでしょう。

フレンチパラドックスとは?

フランス人は、動脈硬化の原因とされる肉食中心の食生活にもかかわらず、冠動脈疾患が極めて少ないことが注目されています。
フランス女性にはヘビースモーカーが 多いのに、喫煙者に多いと見られている心臓発作も少ないのです。こうした現象を、”フレンチパラドックス”と言います。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。
フランスでは、その理由を次のように考えています。
まず、フランス人の食生活に欠かせないワイン、特に赤ワインにはポリフェノールが多く含まれいていて、 動脈硬化を防いだり、脂肪の吸収を抑える効果があるのです。 (ポリフェノール:赤色の色素やタンニンなどの総称)動脈硬化は、悪玉コレステロールが酸化して起こります。 ですから、悪玉コレステロールの酸化を抑えることができれば動脈硬化は防げます。

上述のポリフェノールは、悪玉コレステロールの酸化を抑制する働きがあることから、動脈硬化の予防に有効であるとされています。
これに加えて、脂肪の吸収が抑えられれば、肥満によって起こる動脈硬化を初めとする、さまざまな病気を防ぐことができます。
また、赤ワインは、血小板が固まるのを防いで、血栓を予防するとも考えられています。

《この根拠は?》
ポリフェノールは、ぶどうの果皮などに含まれています。赤ワインは、果皮の色をぶどう液に抽出させて作りますからこの成分が溶け込んでいるのです。
ぶどうの果皮成分には、このほか制ガン作用があることもわかっています。

白ワインの効果は?

では、白ワインには色がありませんから、健康に対する効果はないのでしょうか?
実は白ワインには強い殺菌作用があることがわかっています。
この殺菌力は腸内で有効に働き、腸の調子を整えてくれます。
具体的には、白ワインに含まれる有機酸が、ビヒィズス菌などの善玉菌を増やし、 これによって体内の抵抗力が強まり、有害菌から身を守ることができるのです。

ワインのダイヤモンド
《白ワインの効用と関係あるの?》

年を経た白ワインを陽に透かしてみると、キラキラと輝くものが沈殿していることがあります。
これは酸性酒石酸カリウムといって、酒石酸がワインに含まれているカリウムと結びつき、結晶化したものです。
この結晶は昔から、特にぶどうのできのよい年のワインにみられたので、「ワインのダイヤモンド」と呼ばれるようになりました。
ですから、酒石のあるワインは、よいワインであるともいえるのです。

ワインの添加物

ワインのビンの後ろのラベルを見ると「酸化防止剤含有(二酸化イオウ)または(亜硫酸)」と 書いてあることがあります。

この物質を「ワインの添加物」と考えて、避けている方がおられるかもしれません。
二酸化イオウや亜硫酸は、ぶどうの発酵の段階で加え、二次発酵までの果汁の酸化を防止し、ぶどうの発酵のしすぎを抑える働きをします。 もちろんワインは、ぶどうを発酵させて作るものですが、発酵が進みすぎるとワインの質が悪くなります。 ですから、酸化防止剤の入っていないワインは、酸化しやすい、もろいワインといえます。 特に、気温の高い地方で作られるワインでは、酸化防止剤を添加しないと、かえって質が悪くなりやすいのです。
酸化防止剤は、発酵の段階で少しずつ蒸発しています。 ですから、わたしたちがワインを飲むときに摂取する酸化防止剤は残留した分で、ごくわずかです。

《どれだけ入れてどれだけのこってるの?》
もし、この成分を体に影響が出るまで摂取するとしたら、毎日大量のワインを、何年にもわたって 飲み続けなければなりません。
むしろ、この二酸化イオウの摂取よりも、ふだん口にしている、いろいろな食品に含まれる添加物の方が、体に悪影響を及ぼしやすいといえるかもしれません。 ごく一部の、この物質に対する過敏体質の方のほかは、安心してワインをお召し上がりください。

レストランでのマナー

おいしい食事とワインをレストランで、でも堅苦しいマナーは窮屈だし、という方に気軽に楽しめる方法をお教えしましょう。
最近ではどの店でもコース料理がありますので、予算やおなかの余裕に合わせて、品数や食事のボリュームを選ぶことができます。

そこでワイン選びですが、
●一番よいのはその店のソムリエかサービス担当者に気軽に聞くこと。間違っても一つ覚えの 「シャトー・マルゴー」などと叫ばないことです。
迷うときには、どこのレストランも、たいていその店独自のラベルをつけたハウスワインを置いていますので、聞いてみると良いでしょう。 ワインリストの中でも、手頃な値段の部類に入ります。 また、ワイングラス1杯分からサービスするところもありますから、お酒をあまり飲まない方や、試飲をかねて飲んでみたいと思われる方は 、こちらを利用するのもお勧めです。

●加えて、魚料理には白、肉料理には赤と、決めつけないこと。調理方法やソースに合わせて お店の人がアドバイスしてくれますから、 予算の範囲で手頃なものを選んでもらうと、より充実した味わいになるのではないでしょうか。時には前菜からメイン料理まで、同じワインで通しても良いでしょう。

●ワインを選んだら、次はテイスティングです。ソムリエがワインを注いで「味見をどうぞ」と すすめます。
苦手な方もいらっしゃるでしょうが、客を全く無視して黙っていきなり 注がれるより、よっぽど良いではありませんか。 ソムリエを意識せず、リラックスして、差し出されたワイングラスを前に、「色」「香り」「味」の順に、ワインが極端に濁っていないか、異臭はないか、 また口に含んだときに苦かったり、えぐみが強くないか、あなたの舌で 再確認すればよいのです。

●《異状が無くても自分の味覚に合わないときも言っていいの?》
もちろん、ソムリエは栓を抜いたときに、前もってコルクの匂いをかいでワインの状態を確認するか、ほんの少しグラスに 移して味見をしていますので、 安心してください。それでもおかしいと感じたら、自分の思った通りを伝えましょう。
本物のソムリエなら、あなたにそのワインがどういう状態か 説明してくれるはずです。
変に物知り顔をせず、また臆病にならずに、気軽に相談すること。 そのために彼らはあなたにサービスを提供しているのですから。

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