チーズの豆知識

旧約聖書の時代には、すでにこの世に登場していたチーズ。 チーズの歴史は、数え切れないほど長く、謎に満ちているのです。

人類がチーズを食べるようになったのは、一体いつ頃からなのでしょうか。
一説に、チーズの歴史は1万年以上ともいわれています。
実際の話では、 6千年前に書かれた旧約聖書の「サムエル記」にチーズに関する最古の記述があり、紀元1世紀のギリシャや、ネロやシーザーがいた古代ローマには、有名なチーズがあった事実が知られています。

また、紀元前3500年頃のメソポタミア時代の石版画装飾にも、 乳製品らしきものをつくっている図が見られ、チーズに近いものが存在していたのでは、と想像されています。
チーズの起源説にはとにかくたくさんの言い伝えがありますが、最も有名な話といえば、アラビア民話の「カナナとチーズ」です。

アラビアの商人カナナが旅に出ようと、羊の胃袋を干して造った水筒に山羊乳を入れ、 ラクダの背にくくりつけました。 旅の途中で喉が乾き、その水筒を開けてみると、なんと、中の山羊乳は 白く固まっていました。それを食べてみるとなんともいえない美味しさだったというのです。
その白く固まったものこそが、現在のチーズの基だというお話です。

いずれにしてもチーズの発祥はそんな偶然のイタズラではないかといわれ、「元祖チーズ」はその後、ミルクの保存法として、また美食の友として、さまざまな国に広がっていったのでしょう。
現在、数千種類もあるといわれるナチュラルチーズ、その誕生の物語はまだまだ多くの謎に包まれ、さまざまな伝説に彩られているのです。

マリーアントワネットがその時食べたのは、ブリーチーズだった。

栄華を極めたフランスのブルボン王朝の最後の王妃マリーアントワネットのお話です。
革命運動が盛んになっていく中、国王一家は国外逃亡を企て、変装して馬車に乗り込みますが、パリから130キロ離れたシャロンの街で、あまりに豪華な馬車のなりに、村人が不審がり、結局国王一家は捕らえられてしまいます。
町長の家で待機させられることになるのですが、危機感が薄く、無類の喰いしん坊だったルイ16世は、赤ワインとチーズを求めました。 この時、ルイ16世とマリーアントワネットが食べたのが、この地方では一番大きなブリーチーズだったといわれています。
ヨーロッパの歴史と伝統のエピソードには、このようにしばしばチーズが登場します。
それも、チーズが長い歴史をたどり、多くの国の人々に 愛されてきたという証明でもあるのです。

地方名や村の名前から付けられるほか、思わずドキッとさせられる名前も!

チーズの名前で一番多いのは、そのチーズが造られているか、あるいは最初に造られた村の名前が付いたチーズです。 フランスのカマンベールは、日本で最も有名なナチュラルチーズですが、これはノルマンデイ地方のカマンベール村の名前が付けられています。
青カビのロックフォールや、イギリスのスチルトン、イタリアのゴルゴンゾーラなども産地の名前です。
その他に面白いネーミングでは、テェト・ド・モワーヌ(坊主の頭)、テティージャ(小さなおっぱい)などがあります。
またスイスのラクレット(削る)やイタリアのモッツァレラ(引きちぎる)など、単純明快なネーミングのものもあります。

チーズの種類は多種多様

チーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられます。
ナチュラルチーズは、原料の乳を乳酸菌やレンネットの働きで固まらせたもので、硬さによって大きく4つに分類されます。
水分を多く含む短期熟成タイプの軟質チーズ、中身がしっとりしてやわらかいのが特徴の半硬質チーズ、半硬質タイプより水分の少ない重量のある硬質チーズ、そしてチーズの中で最も硬く長期間保存が可能で長く熟成させる超硬質チー ズがあります。
また、熟成方法によって、熟成させないフレッシュタイプ、白力ビや青カビによって熟成させるタイプ、表面に菌を植えつけ、繁殖した菌をワイン等の地酒で洗いながら熟成させるタイプ、乳酸菌やプロピオン酸で熟成させるタイプなどがあります。

チーズ誕生物語

栄華を極めたフランスのブルボン王朝の最後の王妃マリーアントワネットのお話です。
革命運動が盛んになっていく中、国王一家は国外逃亡を企て、変装して馬車に乗り込みますが、パリから130キロ離れたシャロンの街で、あまりに豪華な馬車のなりに、村人が不審がり、結局国王一家は捕らえられてしまいます。
町長の家で待機させられることになるのですが、危機感が薄く、無類の喰いしん坊だったルイ16世は、赤ワインとチーズを求めました。 この時、ルイ16世とマリーアントワネットが食べたのが、この地方では一番大きなブリーチーズだったといわれています。
ヨーロッパの歴史と伝統のエピソードには、このようにしばしばチーズが登場します。
それも、チーズが長い歴史をたどり、多くの国の人々に 愛されてきたという証明でもあるのです。

ダントツはワインとチーズの国・フランス、日本はその20分の1

妃元前2000年以上前にアラビアの商人が、ラクダの背に羊の胃袋を干して作った水筒に山羊乳を入れ、旅をしていたら、乳が白く固まっていた。
それを食べたら美味しかったというのが、アラビアがチーズの発祥の地といわれる由縁です。
中近東を中心に発達したチーズの技法はギリシャを経てイタリアで更に発達し、ルイ王朝時代にローマ人よりフランスに紹介されたといわれています。
現在、世界チーズ消費国第1位のフランスでは、村の数だけチーズがあるといわれるほどに多種多様なチーズがありますが、 今やチーズは欧風料理には欠かせないものとなっていますかの有名な食の研究家ブリアサパランは、チーズのないデザートは片目のない美女である」と語っています。
一方日本では、プロセスチーズを中心にして戦後の消費量はぐっと増え、特にこの20年ほどでは、ワインや欧風料理の流行とともに、ナチュラルチーズの消費量も増え、国内生産量も増加中です。

ご存じでしたか?11月11日はチーズの日

日本がチーズと最初に出逢ったのはいつだったのでしょうか。実は平安時代の文献「右官史記」の中に、「文武天皇4年(西暦700年)10月、文武天皇が使いを遣わし、蘇をつくらしむ」という記述が残されています。
この蘇が現在のチーズのもとになったものといわれ、この記述の旧暦10月は新暦の11月にあたるため、11にちなんで、11月11日はチーズ記念日とされました。
チーズの日は2日間開催されチーズのオークションやカッティング実演、チーズ料理コンテストなど、あらゆるイベントが全国で企画されています。
販売店では試食ができるところもあり、チーズ好きには見逃せない2日間となります。

イタリアでは、銀行にチーズを預けると利子がつくという

世界で最も価値の高いチーズといえば、イタリアのパルメザン(パルミジャーノ・レッジャーノ)を挙げなければいけない。
チーズの中でも最も固く、一抱えほどある太鼓型で、重さはなんと40kgもある。
チーズは法律で厳重に管理されていて、集乳ゾーンや製法など細かい規定に合ったものでなければ、正式なチーズの名称を用いることはできない。 この厳格に管理されるパルメザンが、イタリアでは投機の対象になっているという。

このチーズは2年以上の熟成期間があるので、資金がなければやっていけない。それで、銀行が巨大な熟成庫をもっていて、そこにパルメザンを預ければ、市価の8割分のお金を貸してくれるのだそうだ。
パルメザンは、1ヶ月熟成させるとキロあたり40円値が上がるから、1個につき1,600円の計算で、この分だけチーズに利子がつくのである。

フランスではワインと同様にチーズにも生産地における管理制度があり、イタリアと同じような厳しい条件のもとで、チーズがつくられている。
特に、美食の国であるフランスでは、 料理とワインのマリアージュ(相性)に重きをおくお国柄なので、チーズとどのワインが合うのかは、常に人々の関心をそそる話題となっている。「チーズは酒飲みのビスケット」「チーズはバッカスのマーマレード」「チーズこそワインの最良の友」など、チーズにまつわる諺や格言はいくつもある。たかが一食品のチーズではあるが、時に政治や経済を動かす程の大きな存在でもあるのだ。
美食を愛する人々にとって、チーズは切っても切れない関係なのである。

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